内線規程の解説 PR

内線規程の解釈と解説【066】|低圧電動機・各装置類への電路に施設する機器類

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出典(内線規程(JEAC8001-2022))より

記事のテーマ

電気機器の安全な操作を確保するための手元開閉器の施設ルールについて解説する。

手元開閉器とは?

手元開閉器とは、電動機や加熱装置などの電気機器の近くに設置され、操作を容易にするための開閉器のことです。

手元開閉器の施設ルール

  1. 適切な開閉器の選定

    • 電動機、加熱装置又は電力装置には、操作しやすい位置に手元開閉器として、箱開閉器、電磁開閉器、配線用遮断器、カバー付ナイフスイッチ又はこれらに相当する開閉器のうちから用途に適したものを選定して施設する必要があります。
    • ただし、以下の各号のいずれかに該当する場合は、手元開閉器の施設は不要です。
      • ① 電動機を施設した機械器具又は電力装置に、手元開閉器に相当する適切な開閉器が取り付けてある場合
      • ② 定格出力0.2kW以下の電動機をコンセントから使用する場合又は定格入力1.5kVA以下の加熱装置若しくは電力装置をコンセントから使用する場合
      • ③ 専用の分岐回路から供給され、フロートスイッチ、圧力スイッチ、タイムスイッチなどにより自動的に操作される場合又はこれらに類する場合で技術的に手元開閉器を必要としないとき
  2. 開閉器の構造

    • 手元開閉器は、充電部を露出せず、かつ、ハンドル、つまみ、押ボタンなどにより外部から操作できる構造であって、最大負荷電流以上の定格電流を有するものである必要があります。

手元開閉器の施設に関する補足事項

  • 手元開閉器は、電動機、加熱装置などがなるべく見えやすい箇所に設ける必要があります。
  • 電磁開閉器の場合は、押ボタンが操作しやすい場所にあればよいです。
  • カバー付ナイフスイッチは、電灯、加熱装置用として設計されたものであるため、電動機の手元開閉器として使用するのは適当ではありません。
    • ただし、対地電圧が150V以下の電路から使用する400W以下の電動機を、家庭用又は軽作業を行う工場などでカバーが破損するおそれがない場所に施設し、定格電流30Aのカバー付ナイフスイッチを使用する場合は、使用しても差し支えありません。
    • ただし、特殊場所(興行場を除く。)を除く。
  • 頻繁に開閉を要する場合は、電磁開閉器を使用するのが望ましいです。

 

断路用器具とは?

断路用器具とは、電気機器の配線を分岐回路から分離するために使用される器具のことです。

断路用器具の施設ルール

  1. 分離のための器具設置

    • 電動機、加熱装置又は電力装置の配線には、これに供給する分岐回路の配線から機械器具又は装置を分離できるように、断路用器具として各側に開閉器又はコンセントを設備する必要があります。
    • ただし、以下の各号のいずれかに該当する場合は、断路用器具の施設は不要です。
      • ① 配線中に施設する手元開閉器が電路の各極を開閉できるものである場合
      • ② 専用の分岐回路から供給される場合
      • ③ 一つの分岐回路に接続される同一用途の2台以上の空調機等を同時に休止させ、かつ、単独で動作させることがない場合
      • ④ 住宅の屋内に施設する対地電圧150Vを超える電気機械器具に電気を供給する場合
  2. 共用可能な場合

    • 前項の断路用器具であって、以下の各号のいずれかに該当する場合は、一の断路用器具を各電動機、加熱装置及び電力装置に共用することができます。
      • ① 一つの工作機械、クレーン、ホイストなどに施設する2台以上の電動機、加熱装置又は電力装置
      • ② 同一作業に使用する2台以上の電動機、加熱装置又は電力装置が、以下の条件に該当する場合
        • a. 電動機、加熱装置又は電力装置が、単独に休止することがないものであること。
        • b. 電動機、加熱装置又は電力装置が同一室内にあって、かつ、断路用器具の位置から15m以内で見えるところにあるもの。

断路用器具の要件

  1. 電路の各極に施設

    • 断路用器具は、電路の各極に施設する必要があります。
  2. 開閉状態の識別

    • 断路用器具は、開閉の状態が明瞭に識別できるものである必要があります。
  3. 定格電流

    • 断路用器具は、施設する電路の最大負荷電流以上の定格電流のものである必要があります。

断路用器具に関する補足事項

  • 電磁開閉器は、断路用器具とはみなされません。
  • 断路用器具には、過電流遮断器を施設する必要はありません。

 

表示灯の施設ルール

  1. 高電圧回路への設置

    • 対地電圧が150Vを超える回路に表示灯を取り付ける場合は、直接人が触れないように施設する必要があります。
    • ただし、電気室、機械室、ボイラー室など、取扱者以外の者が立ち入らない場所の場合は、この限りではありません。
  2. 電球受口の接続

    • 電球受口は、配線に直接接続する必要があります。コードで延長して施設してはいけません。
  3. 専用の点滅器と過電流遮断器

    • 専用の点滅器及び過電流遮断器を取り付ける必要があります。
    • ただし、ネオンランプなどで直列に抵抗器又はコンデンサを接続する場合は、過電流遮断器を省略することができます。

表示灯の施設に関する補足事項

  • この条の規定は、配電箱、制御用配電盤など、器具又は装置として製作されたものには適用されません。
  • 表示灯の消費電力は、15W以下を原則とします。これは、電気事業者が定める供給条件に関連するものです。

電流計とは?

電流計とは、回路に流れる電流の大きさを測定するための計器のことです。

電流計の施設ルール

  1. 電流計の選定

    • 電動機用超過目盛電流計を用いる場合は、最大使用電流値よりも小さくない範囲において、最小の定格目盛をもつものを選定する必要があります。
    • 普通目盛電流計を用いる場合は、最大使用電流の約150%の定格目盛をもつものを選定する必要があります。
      • ただし、電動機用のものは、最大使用電流の約200%の定格目盛をもつものとする必要があります。
  2. 見やすい場所への設置

    • 電流計は、見やすい場所に取り付ける必要があります。

電磁開閉器の制御回路の施設ルール

  1. 電線の太さ

    • 制御回路には、1.6mm以上の銅電線(300V以下の場合で絶縁電線を管又は線ぴに収めて施設するときは、1.2mm以上)又は2.3mm以上の半硬アルミ電線若しくは2.0mm以上の硬アルミ電線を用いる必要があります。
    • また、低圧配線方法の規定により施設する必要があります。
  2. 過電流遮断器による保護

    • 制御回路は、配電盤、電磁開閉器又はこれに近接して施設した専用の過電流遮断器により保護する必要があります。
    • ただし、以下のいずれかに該当する場合は、この限りではありません。
      • a. 制御回路に、3302-1表以上の太さの電線を用いる場合

過電流遮断器に関する補足事項

  • 過電流遮断器としてヒューズを用いる場合は、容量過少とならないよう選定する必要があります。

 

電線太さの選定基準

制御回路の電線太さは、電動機に至る配線を保護する過電流遮断器の定格電流によって決まります。

過電流遮断器の定格電流 (A) 電線の断面積 (mm²)
30以下 2
50以下 3.5
100以下 5.5

 

  • b. 電磁開閉器、制御用の器具、制御回路の全部を同一機械上に施設し、金属管配線などで施設する場合
  • c. 負荷の性質上、専用の過電流遮断器が動作することで危険な結果を引き起こすおそれがある場合
  • d. 制御回路のこう長が3m以下の場合
  • e. 制御回路のこう長が8m以下で、金属管配線などで施設する場合

操作用押ボタンの施設ルール

  1. 固定式

    • 操作用押ボタンは、固定式のものとし、コード又はキャブタイヤケーブルを附属しないものとする必要があります。
    • ただし、つり下げ用の押ボタンを天井その他からキャブタイヤケーブルでつり下げ、外傷を受けるおそれがないようにして用いる場合は、この限りではありません。

小勢力回路の施設ルール

  1. 電圧降下と配線方法

    • 変圧器により機械器具回路の電圧を60V以下に降圧し、小勢力回路とみなすことのできる制御回路では、小勢力回路の施設の規定に適合する配線方法による必要があります。

接地とは?

接地とは、電気機器の金属部分を大地に接続することで、感電事故や漏電火災を防止するための安全対策です。

電動機・加熱装置・電力装置の接地ルール

  1. 金属製外箱などの接地

    • 電動機、加熱装置又は電力装置の鉄台、金属製外箱及び鉄わくなどは、機械器具の金属製外箱などの接地の規定に準じて接地工事を施す必要があります。
  2. 金属管などと接続する場合

    • 電動機、加熱装置又は電力装置が金属管、金属製可とう電線管、金属ダクト又はバスダクトと電気的に完全に接続され、かつ、これらに必要な接地工事が施されている場合、又は鉄骨コンクリート建築などの鉄骨造営材に取り付けられている場合は、C種又はD種接地工事の特例により接地工事を施したものとします。
  3. 可搬形又は移動形のものの接地

    • 可搬形または移動形の電動機、加熱装置、電力装置を移動電線で接地する場合、以下の3点を守る必要があります。

      1. 接地線として緑色または緑/黄色の多心型コード・ケーブルを使用(ただし、既設設備との兼ね合いで色が変えられる場合もある)。
      2. 接地極付きのプラグ、コネクタ、コンセントを使用。
      3. 接続器の接地極は、他の極より早く接続し、遅く切断する構造であること。

可搬形機械器具の使用制限

  1. 入力1.2kVA以下の機器

    • 可搬形の電動機、加熱装置及び電力装置で入力が1.2kVA以下のものは、使用電圧が300Vを超える電路で使用してはいけません。
  2. 入力1.2kVAを超える機器

    • 1.2kVAを超える可搬形の電動機、加熱装置及び電力装置を使用電圧が300V超える電路で使用する場合の移動電線には、一種キャブタイヤケーブル、ビニルキャブタイヤケーブル及び耐燃性ポリオレフィンキャブタイヤケーブル以外のキャブタイヤケーブルを使用する必要があります。
    • ただし、電気を熱として利用しない電気機械器具に附属する移動電線には、ビニルキャブタイヤケーブル又は耐燃性ポリオレフィンキャブタイヤケーブルを使用することができます。

漏電遮断器の施設

  1. 1375節の規定に該当する場合

    • 電動機、加熱装置、電力装置などの配線で、漏電遮断器などの規定に該当する場合は、漏電遮断器を施設する必要があります。
  2. 住宅のルームエアコンディショナ

    • 住宅に施設する三相200Vのルームエアコンディショナなどの配線には、漏電遮断器を施設する必要があります。

欠相に対する保護装置

  1. 機能支障や損傷のおそれがある場合

    • 電源の欠相により著しく機能支障を生じるおそれ又は損傷を受けるおそれのある電気機械器具には、電動機の過負荷保護装置などの施設に規定する場合を除き、欠相に対する保護装置(警報で支障のない場合は、警報装置)を施設することが推奨されます。

まとめ

  • 手元開閉器は、操作しやすい位置に、用途に適した開閉器を選定して施設しましょう。
  • 手元開閉器の施設が不要な場合もあります。
  • 手元開閉器は、充電部が露出せず、外部から操作できる構造で、最大負荷電流以上の定格電流を有するものを選びましょう。

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