内線規程の解説 PR

内線規程の解釈と解説【077】|危険物などの存在する場所

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出典(内線規程(JEAC8001-2022))より

記事のテーマ

セルロイド、マッチ、石油類などの燃えやすい危険物がある場所での配線に関する安全基準と対策について解説する。

配線方法の基本

燃えやすい危険物がある場所での配線は、以下のいずれかの方法で行う必要があります。

  1. 金属管配線
  2. 合成樹脂管配線(厚さ2mm未満の合成樹脂製電線管及びCD管を除く)
  3. ケーブル配線

 

金属管配線における注意点

金属管には、薄鋼電線管または同等以上の強度を有するものを使用する必要があります。

 

合成樹脂管配線における注意点

合成樹脂管(厚さ2mm未満の合成樹脂製電線管及びCD管を除く)及びボックスその他の附属品は、損傷を受けるおそれがないように施設する必要があります。

 

ケーブル配線における注意点

ケーブルは、鋼帯などのがい(鎧)装を有するケーブル、またはMIケーブルを使用する場合を除き、管その他の防護装置に収めて施設する必要があります。

(がい(鎧)装は解釈第120条第6項に適合するものを使用する必要があります。)

 

ガスや蒸気を発生する危険物がある場合

危険物がガスや蒸気を発生するものであれば、3415節(ガス蒸気危険場所)の規定が適用されます。

 

移動電線

移動電線は、一種キャブタイヤケーブル以外の接続点のないキャブタイヤケーブルを使用する必要があります。

損傷を受けるおそれがないように施設するほか、電線を電気機械器具に引き込むときは、引き込み部分で損傷を受けるおそれがないように施設する必要があります。

 

電気機械器具

1. 火花・アーク・高温対策

火花やアークが発生する可能性のある電気器具(例:溶接機、開閉器)や、高温になる可能性のある電気器具(例:ヒーター、乾燥機)は、全閉構造にする、または防爆構造にするなど、周囲の可燃物への引火を防ぐための適切な措置を講じる必要があります。

これにより、火災や爆発のリスクを大幅に低減できます。

2. 照明器具の固定

照明器具は、天井や壁などの造営材に直接、または吊り下げ管やチェーンなどを使用して、確実に固定する必要があります。

不適切な固定は、落下による火災や感電事故につながる可能性があります。

3. ランプ保護

白熱電灯や放電灯などの高温になるランプは、ランプ保護カバー付きのものを使用し、ランプが破損した場合や、ランプからの熱が可燃物に伝わるのを防ぐ措置が必要です。

特に、紙や布などの可燃物が近くにある場所では、ランプ保護カバーの使用が不可欠です。

4. 移動用電灯

工事現場や作業現場などで移動して使用する電灯は、衝撃に強く、堅固な外装のものを使用する必要があります。

移動用電灯は、コードが損傷しやすく、感電や火災のリスクが高いため、適切な製品の選定と定期的な点検が重要です。

5. 接続部の緩み防止

電線と電気機械器具の接続部は、振動や衝撃で緩まないように、止めナットやばね座金などを使用して、電気的に完全に接続する必要があります。

接続部の緩みは、接触不良による発熱や火災の原因となる可能性があります。

 

接地工事

機械器具の鉄台、金属製外箱及び鉄わくなどは、1350-2(機械器具の金属製外箱などの接地)の規定に準じて接地工事を施す必要があります。

 


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