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内線規程の解説 PR

内線規程の解釈と解説【097】|滑走路灯など配線の施設

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出典(内線規程(JEAC8001-2022))より

 

滑走路灯など配線の施設基準と安全対策をやさしく解説!

見習いペン太
見習いペン太
飛行場にある滑走路灯の配線って、特別なルールがあるんですか?普通の照明と同じってわけじゃないですよね?

はりた
はりた
うん、滑走路灯や誘導路灯の配線には、飛行場ならではの施設基準と安全対策があるんだよ。今回はそのポイントをわかりやすく整理してみようか。

飛行場の滑走路や誘導路に設置されている照明設備──それが「滑走路灯など配線」と呼ばれるものです。これらの照明は、航空機の安全な離着陸を支える重要な設備であり、配線方法にも厳格な基準が定められています。

この記事では、「滑走路灯など配線」の施設方法と適用除外条件、安全対策について詳しく解説します。


滑走路灯など配線とは?

滑走路灯など配線とは、飛行場構内に設置される「滑走路灯」「誘導路灯」「標識灯」などの照明設備のための電気配線を指します。これらの照明は、パイロットが夜間や視界不良時でも安全に飛行機を運航できるようにするためのものです。


施設基準と基本原則

飛行場のうち、一般の立ち入りが制限されている区域においては、配線は原則として「地中電線路(内線規程2400節)」の基準に準拠して設置する必要があります。

この規定により、電線は地中に敷設され、視認性や安全性、耐久性を確保した設計が求められます。

ただし、現場の条件によっては、一部の設置方法に関して規定の適用が除外されるケースも存在します。


適用除外条件とそれに応じた施設方法

ここからは、地中電線路の基準に準じながらも、特定の条件下で適用除外となるケースごとの施設方法について紹介します。

1. 管路式または暗きょ式

使用ケーブル:

通常の電力ケーブル

または飛行場標識灯用の高圧ケーブル

設置要件:

車両荷重に耐えられる強度を持った管路や暗きょを使用

2. 直接埋設式(地中に直接ケーブルを埋める方式)

使用条件:

車両が通行しない区域に限定

埋設深さ:

60cm以上

使用ケーブル:

クロロプレン外装ケーブル

または飛行場標識灯用の高圧ケーブル

安全対策:

埋設箇所には表示板や標識を設け、位置を明確にする

見習いペン太
見習いペン太
へぇ〜、直接埋める場合もあるんですね。でも、車が通る場所だとやっぱりダメなんですね。

はりた
はりた
その通り。重量物が通る場所だとケーブルが傷んでしまうから、強度の高い管路を使うんだよ。

3. 舗装路面の溝を利用する場合

適用条件:

使用できるのは低圧配線のみ

電線仕様:

断面積2mm²以上8mm²以下軟銅より線

ポリアミド被覆付き600Vビニル絶縁電線

溝の処理:

電線を保護するため、耐熱性かつ堅牢な材料で充填


まとめ|滑走路灯など配線は飛行場の安全を守る重要設備!

滑走路灯や誘導路灯などの配線は、飛行機の離着陸を支える生命線とも言える存在です。施設には「地中電線路の基準」を基本としながらも、使用環境に応じた柔軟な設置方法が認められています。

特に重要なのは、車両荷重への対応埋設位置の明示耐久性のある資材の選定です。安全と信頼性を両立させるためにも、基準に則った丁寧な設計・施工が欠かせません。

見習いペン太
見習いペン太
今回の話を聞いて、滑走路の配線って本当に緻密で大切なんだって分かりました!

はりた
はりた
その気づきは大きいよ。見えないところで安全を支えるのが、電気設備の真骨頂なんだ。

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