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はじめまして、ハリタといいます。 電気設備の計画や設計、むずかしいと感じたことはありませんか? 「先輩に聞けない」「相談できる人がいない」 ――そんな悩みを抱える方の力になりたくて、このサイトを立ち上げました。 現場で迷ったとき、ふと立ち寄ってヒントが得られるような、そんな場所を目指しています。 あなたのモヤモヤが少しでも晴れることを願って――どうぞよろしくお願いします。
内線規程の解説 PR

内線規程の解釈と解説【101】|集電式自走搬送装置の施設

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出典(内線規程(JEAC8001-2022))より

 

集電式自走搬送装置の施設基準と安全対策を徹底解説!

工場や倉庫などで活用される「集電式自走搬送装置」。その設置には、安全性と電気工事の基準を遵守する必要があります。本記事では、施設基準や使用電圧、接地工事など、押さえておくべきポイントをわかりやすく解説します。

見習いペン太
見習いペン太
工場内の自走装置ってどうやって動いてるの?勝手に走ってるように見えるけど…

はりた
はりた
それが「集電式自走搬送装置」ってやつさ。地面から電気をもらって走るんだ。ルールも色々あるから一緒に見てみよう!


集電式自走搬送装置とは?

集電式自走搬送装置とは、地面や走行路に設置された導体から電力を集め、自走する搬送機器のことです。製造現場や物流施設などで、自動搬送を行う装置として広く使用されています。


設置場所の制限について

以下のような場所には、集電式自走搬送装置を設置することができません:

  • 乾燥していない場所

  • 点検が困難な隠ぺい箇所

  • 粉じんが爆発の危険をもたらす場所(粉じん危険場所)

  • 不燃性じんあいが多い場所

  • 可燃性ガスや蒸気が存在する場所(ガス蒸気危険場所)

  • 危険物が存在するエリア

  • 火薬庫などの特別危険区域


使用電圧の基準

電気的な安全性を確保するため、電圧には厳密な制限があります。

1. 電源装置への供給電路

→ 使用電圧は300V以下に制限されています。

2. 走行路の電圧

→ 原則として直流30V以下。接触防護措置を講じた場合は、直流60Vまで使用可能です。

3. 走行制御回路の電圧

→ 自走台車の制御回路も直流30V以下が原則。

4. 絶縁変圧器の使用条件

→ 走行路導体に接続しない制御回路には絶縁変圧器を使用。
一次側:300V以下/二次側:60V以下に制限。


見習いペン太
見習いペン太
直流30Vって意外と低いね!安全のためには必要なんだね。

はりた
はりた
うん、感電のリスクを最小限にするために厳しく制限されてるんだよ。

走行路の施設基準

1. 異極導体間の絶縁措置

  • 感電防止のため、絶縁性の隔壁や絶縁物の挿入が必要。

2. 走行路の規格適合

  • 「3305-8(低圧クレーン・ホイスト等)」4項に準拠。

3. 相互接続の要件

  • 走行路は堅牢かつ電気的に完全に接続する。ただし、条件を満たせば例外あり。

4. 造営材への取り付け

  • 支持点間の距離は3m以下、しっかりと固定すること。


じんあい除去装置の設置

走行路には、じんあい(微細な粒子)を除去する装置の設置が必要です。これにより、動作不良の防止や品質確保、安全対策に寄与します。


接地の基準

  • 金属製外箱:D種接地工事を実施。

  • 走行路の支持物:同様にD種接地が必要。


電源装置の規格と安全対策

1. JIS C 3565-8への適合

→ 安全・信頼性が担保されます。

2. 漏電遮断器の設置

→ 感電事故を未然に防ぐための対策。

3. 絶縁変圧器の導入

→ 一次側と二次側の電気的絶縁でリスク軽減。

4. 二次側電路の接地禁止

→ 地絡による感電を防止。

5. 接地端子の設置

→ 外箱の帯電対策として必要。

6. 過電流遮断器の設置

→ 開閉器とあわせて設置、火災や機器損傷を防止。


見習いペン太
見習いペン太
基準っていっぱいあるけど、どれも現場の安全のためなんだね。

はりた
はりた
その通り!特に感電防止と設備トラブルの回避が大事なんだ。基準を守って安全に運用しようね!

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