電気設備の情報発信をするハリネズミ
この記事を書いた人
はじめまして、ハリタといいます。 電気設備の計画や設計、むずかしいと感じたことはありませんか? 「先輩に聞けない」「相談できる人がいない」 ――そんな悩みを抱える方の力になりたくて、このサイトを立ち上げました。 現場で迷ったとき、ふと立ち寄ってヒントが得られるような、そんな場所を目指しています。 あなたのモヤモヤが少しでも晴れることを願って――どうぞよろしくお願いします。
内線規程の解説 PR

内線規程の解釈と解説【102】|電気集じん装置などの施設

記事内に商品プロモーションを含む場合があります

出典(内線規程(JEAC8001-2022))より

電気集じん装置の施設基準と安全対策を徹底解説|設置条件・接地・危険場所対策まで

見習いペン太
見習いペン太
電気集じん装置って高電圧を使うから危なそうですけど、安全に設置するルールってあるんですか?

はりた
はりた
電源装置や配線、設置場所ごとに細かく決まってるんだ。感電や爆発事故を防ぐためにとても大事なことなんだよ。

高電圧を利用して粉じんやミストを除去する「電気集じん装置」。その設置には、火災・感電・漏電といったリスクを避けるために、厳格な施設基準と安全対策が定められています。

この記事では、電源装置・配線・特殊場所での施設基準に加え、接地や火気危険場所での対応まで詳しく解説します。

二次側配線の施設基準

見習いペン太
見習いペン太
配線ってどれも同じように見えるけど、安全にするために違いがあるんですか?

はりた
はりた
そうなんだ。場所や使用条件によって絶縁、保護、接地の方法が変わるんだよ。

以下のように、感電や漏電リスクを防ぐための措置が求められます。

1. 安全な配線の原則

関係者以外の立ち入りを制限したうえで、安全対策を講じた配線が必要です。

2. ケーブルの使用

絶縁性と耐久性に優れたケーブルを使用することが基本です。

3. 絶縁防護措置

移動電線は、保護管や絶縁材でしっかり保護します。

4. 高電圧部分の保護

人が触れられないように配置し、金属製の防護装置でカバーします。

5. 湿気・水気対策

金属管配線を用い、装置との電気的接触を避けて設置します。

6. 接地側の原則

高電圧から装置までの配線は、屋外に設けることが原則です。洗浄水がかかる場合は防護措置が必要です。

7-8. 屋外・地中配線の規定

地中電線路の規定(3505-8、2315節)に準拠して施設します。


電気集じん装置そのものの施設基準

1. 設置場所の制限

関係者以外が容易に近づけない場所に設置します。ただし、安全性が確認された装置は例外的に設置可能です。

2. 高電圧充電部分の制限

原則として屋根上・屋外設置は禁止ですが、特別高圧で保護措置がある場合は認められます。


特殊場所での施設基準

1. 火災・爆発危険場所への対応

火花や高温部分を防ぐ対策が必要です。付属設備も含めて対策を施します。

2. 設置制限場所

ガス蒸気危険場所や粉じんの多い場所に限定して設置し、火薬庫等への設置は禁止されています。


接地工事の基準

装置や金属部分には、A種接地工事が原則として必要です。

接地対象例

  • 電源装置の金属製外箱

  • 金属製遮へい板、さく、外壁

  • 被塗装物を吊る金属製わく

  • ケーブルの防護装置・被覆金属体

接触防護措置を講じた場合の例外

適切な防護が施されている場合は、D種接地工事でも可とされています。


石油精製用不純物除去装置に関する基準

この装置は高電圧を使い、不純物を除去するため、ガス蒸気危険場所では以下の対策が求められます。

  • A種接地工事の実施

  • 充電部は液中に露出しない設置

  • 専用の過電流遮断器を一次側に設置

  • JISなど技術基準の順守


まとめ|設置には正確な基準の理解と対応が不可欠

見習いペン太
見習いペン太
こんなにたくさん決まりがあるんですね…。でも事故を防ぐためにはちゃんと守らないと!

はりた
はりた
その通り。電気集じん装置の設置は、命を守る工事でもあるんだよ。法律と基準をしっかり守ることが第一だね。

電気集じん装置は高電圧を扱うため、わずかなミスが重大事故につながることもあります。施設基準に従った正確な設置と、感電・火災・爆発に備えた対策が何より重要です。

設置の際は必ず専門家の監修を受け、最新の技術基準や法令を遵守して安全な設備を実現しましょう。

電気設備の情報発信をするハリネズミ
この記事を書いた人
はじめまして、ハリタといいます。 電気設備の計画や設計、むずかしいと感じたことはありませんか? 「先輩に聞けない」「相談できる人がいない」 ――そんな悩みを抱える方の力になりたくて、このサイトを立ち上げました。 現場で迷ったとき、ふと立ち寄ってヒントが得られるような、そんな場所を目指しています。 あなたのモヤモヤが少しでも晴れることを願って――どうぞよろしくお願いします。
関連する記事