内線規程の解説 PR

内線規程の解釈と解説【095】|深夜電力機器の施設

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出典(内線規程(JEAC8001-2022))より

記事のテーマ

深夜電力機器の施設基準と安全対策について解説する。

深夜電力機器とは?

深夜電力機器とは、電力会社が夜間の電力需要を平準化するために、夜間時間帯に電気料金が割安になる深夜電力プランを利用して使用する機器のことです。

対地電圧

  • 深夜電力機器に電気を供給する電路の対地電圧は、1300-1(屋内電路の対地電圧の制限)の規定による必要があります。

配線

  1. 引込線取付点から引込口装置までの配線
    • 引込線取付点から引込口装置までの配線は、1370-5(低圧引込線の引込線取付点から引込口装置までの施設)の規定に準じるほか、以下の各号により施設する必要があります。
      • 注釈
        • この規定は、電気事業者が定める供給条件に関連するものである。
      • ① 配線は、専用回路とする必要があります。
      • ② 一般負荷と深夜電力負荷とを共用する部分の電線は、以下の計算式により計算した値以上の許容電流を有するものである必要があります。
        • I = Ia + 0.7 × Ib
          • I は、一般負荷と深夜電力負荷とを共用する部分の負荷電流
          • Ia は、深夜電力負荷の負荷電流
          • Ib は、一般負荷の負荷電流
        • 注釈
          • 直率とは、一般負荷の想定負荷電流に対する深夜時間帯における想定負荷電流の比率をいい、電灯負荷の場合0.7、電力負荷の場合0.2を標準とする。
          • ただし、電灯負荷において、深夜電力機器が日中動作し、一般負荷のピークと重なる場合には1.0とするなど、直率の適用にあたっては、負荷の使用実態を十分考慮する必要があります。
  2. 引込口装置から深夜電力機器までの配線
    • 引込口装置から深夜電力機器までの配線は、以下の各号により施設する必要があります。
      • ① 配線に使用する電線の太さは、3605-5(分岐回路の電線太さ)の規定による必要があります。
      • ② 深夜電力機器への配線は、機器ごとに専用の分岐回路とする必要があります。ただし、20A以下の配線用遮断器により保護される分岐回路にあっては、この限りではありません。
      • ③ 配線は、3編1章(低圧配線方法)の規定のうち、金属管配線、合成樹脂管配線、金属製可とう電線管配線又はケーブル配線のいずれかによる必要があります。
      • ④ 分岐開閉器から深夜電力機器までの途中には、接続箇所を設けたり開閉器、コンセント類の配線器具を設けない必要があります。ただし、配線の距離が長くなる場合、同一配線から分岐して2台以上の深夜電力機器に配線する場合又は蓄熱式電気暖房器であって機器に至る電線に耐熱電線の使用を必要とする場合などは、封印できる構造又は容易にふたを開くことができない構造の接続箱内で接続することができます。
      • ⑤ 深夜電力機器は、配線と直接接続する必要があります。

引込口装置の施設

  1. 引込口装置の施設
    • 引込口装置の施設は、1370-7(引込口装置の施設)の規定に準じるほか、以下の各号により施設する必要があります。
      • ① 引込口装置は、配線用遮断器である必要があります。ただし、分岐回路に配線用遮断器を施設した場合は、この限りではありません。
      • ② 配線用遮断器の過電流素子及び開閉部の数は、1360-12(電線を保護する配線用遮断器の過電流素子及び開閉部の数)の規定に準じる必要があります。
      • ③ 引込口装置付近の配線は、電気事業者と協議する必要があります。
        • 注釈
          • 2016年3月以前の電気事業者との協議による引込口装置付近の配線施設例等については、資料3-5-4を参照する必要があります。
  2. 配線用遮断器の施設場所
    • 前項において施設する配線用遮断器は、金属製の底板を有するものを除き、金属製の分電盤などに施設する必要があります。(推奨)
      • 注釈
        • 深夜電力機器は、一般的に連続負荷であることから過電流遮断器の動作特性(熱動形:バイメタル方式により周囲温度の影響を受けるものがある。)や電圧変動の範囲などを考慮し、連続使用状態で動作しないようにする必要があります。ここでは、放熱性を高めるための金属製の底板等の施設を求めています。
  3. 配線用遮断器の容量の選定
    • 配線用遮断器は、3545-1表に適合する容量のものを使用する必要があります。(勧告)

タイムスイッチなどの施設

  • 深夜電力機器用のタイムスイッチ及びこれと併用する電磁接触器は、1370-6(計量器などの取付け)の規定に準じるほか、以下の各号により施設する必要があります。
    1. タイムスイッチと電磁接触器の施設場所
      • タイムスイッチ及び電磁接触器は、一般負荷用電力量計の近くに取り付ける必要があります。
      • ただし、一般負荷と供給方式が異なる場合又は分岐点から引込口までの配線が長く、電気事業者と協議した場合は、この限りではありません。
      • 注釈
        • タイムスイッチ及び電磁接触器は、原則として屋外とし、屋内に取り付ける場合は、電気事業者との協議が必要です。
    2. 専用回路の配線
      • 深夜電力機器専用回路に施設するタイムスイッチ及び電磁接触器の配線は、電気事業者と協議する必要があります。
      • 注釈
        • タイムスイッチと電磁接触器とを組み合わせるときの結線は、資料3-5-5によります。

保安工事

  1. 金属製外箱の接地
    • 深夜電力機器の金属製外箱には、D種接地工事を施す必要があります。
    • ただし、深夜電力機器が乾燥した床の上にあって、取扱者が大地と絶縁されていない金属製水管などと同時に触れるおそれがない場合は、この限りではありません。
  2. 漏電遮断器の施設
    • 深夜電力機器に電気を供給する電路で、以下の各号のいずれかに該当する場合は、高感度高速形の漏電遮断器を施設する必要があります。
    • ただし、当該機器に高感度高速形の漏電遮断器を内蔵するものにあっては、この限りではありません。
      • ① 貯蔵式電気温水器を浴用又は水気のある場所で使用する場合
      • ② 深夜電力機器を水気のある場所に施設する場合
      • ③ 対地電圧150V超過で使用する深夜電力機器を施設する場合

絶縁管

  • 浴用又は水気のある場所で使用する貯蔵式電気温水器並びに水気のある場所に施設する貯蔵式電気温水器は、給湯管及び給水管に、有効長さ0.5m以上の絶縁管を施設する必要があります。(推奨)

まとめ

  • 深夜電力機器の施設には、対地電圧、配線、引込口装置の施設など、様々な安全対策が必要
  • 各項目について、規定の条件を満たすように施設する
  • 安全な施設のため、専門家への相談を推奨

(キーワード)

深夜電力機器、施設基準、電気工事、安全対策