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はじめまして、ハリタといいます。 電気設備の計画や設計、むずかしいと感じたことはありませんか? 「先輩に聞けない」「相談できる人がいない」 ――そんな悩みを抱える方の力になりたくて、このサイトを立ち上げました。 現場で迷ったとき、ふと立ち寄ってヒントが得られるような、そんな場所を目指しています。 あなたのモヤモヤが少しでも晴れることを願って――どうぞよろしくお願いします。
内線規程の解説 PR

内線規程の解釈と解説【007】|許容電流

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出典(内線規程(JEAC8001-2022))より

この記事に書かれていること

許容電流

電線の許容電流は、周囲温度と本数によって決まっており負荷電流値以上の許容電流を持つサイズを選定する必要があります。

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🔌許容電流と電線選定の基本ガイド

電気設備を安全・確実に運用するためには、**電線がどれだけの電流に耐えられるか(=許容電流)**を正しく把握しておくことがとても重要です。

この記事では、許容電流の考え方や、具体的な算定方法、使用する電線の選び方について、初心者の方にもわかりやすく解説します。


✅1. 許容電流とは?

許容電流とは、電線が安全に流せる最大の電流値のこと。これを超える電流が流れると、電線が発熱して絶縁が破壊されたり、火災の原因になるおそれがあります。


✅2. 許容電流の算定で重要な3つのポイント

許容電流を正しく求めるには、以下の条件を考慮する必要があります:

項目 説明
🔹 電線の特性 電線の材質(銅・アルミなど)、断面積(太さ)、絶縁物の種類(ビニル・ポリエチレンなど)
🔹 施設条件 周囲温度、配線の方法(露出・管内など)、電線を束ねた本数
🔹 絶縁物の最高許容温度 絶縁が耐えられる温度上限(例:ビニルは60℃、ふっ素樹脂は105℃など)

✅3. IV電線・VVケーブルの許容電流

「IV電線」「VVケーブル」は最もよく使われる一般的な電線です。
絶縁体は60℃のビニル絶縁で、**許容電流の基準は「1340-1表」および「1340-2表」**に示されています。

例:

  • IV 2.0mm² → 約27A(1回路あたり)

  • IV 3.5mm² → 約35A(1回路あたり)

※上記は一例で、配線方法や周囲温度により変動します。


✅4. その他の電線は「補正係数」を掛けて求める

ポリエチレンやふっ素樹脂など、特殊な絶縁体を使った電線では、
許容電流に補正係数を掛けて算出する必要があります。

📌算定ステップ

  1. 1340-1表 or 1340-2表で基準値を確認

  2. 1340-3表の補正係数を掛ける(絶縁材料や敷設条件により異なる)

  3. 小数点以下1位を四捨五入する


✅許容電流補正係数の一例(1340-3表より)

絶縁物の種類 施設場所 補正係数
ポリエチレン(PE) 屋内 1.10
ふっ素樹脂(FEP等) 屋外 1.25

例えば、IV 2.0mm²(基準27A)に対してふっ素樹脂絶縁で屋外なら…

👉 27A × 1.25 = 33.75A → 約34A


🔍ポイントまとめ

  • 許容電流は「配線方法+電線の種類+温度条件」で変わる

  • 絶縁体の温度グレードが高いほど、多くの電流を流せる

  • 「IV電線」は60℃を前提、「PEやFEP」は高温対応のため補正必要

  • 間違えた選定は事故・火災の原因になるので要注意!


📘設計時の注意点

  • 許容電流の算定結果は必ず四捨五入して使用

  • 実際の施工では、電圧降下配線距離も加味して設計する

  • 内線規程に基づく正確な選定が重要!

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