内線規程の解釈と解説【066】|航空障害灯
出典:内線規程(JEAC8001-2022)より
高層建築物や鉄塔の頂部で点滅している赤いライト、それが航空障害灯です。航空機の安全のために欠かせない設備で、内線規程ではその電気工事について配線・離隔・点滅装置の施設方法が細かく定められています。この記事では、航空障害灯を施設するときに押さえておきたいルールを整理して解説します。

航空障害灯への電源は専用の分岐回路とし、建造物外面の配線は避雷針の接地線と1.5m以上離隔します。屋外の点滅装置は堅ろうな金属製防水箱に収め、鉄塔などでは地上3m以上5m以下に取り付けるのが基本です。
✔ ① 分岐回路と配線のルール
✔ ② 灯器と点滅装置のルール
✔ ③ 送電線鉄塔への施設ルール
ペン太
ハリタこの3つ、すぐ答えられますか
- 航空障害灯に電気を供給する回路は、どのような回路にしますか。
- 建造物外面の配線は、避雷針の接地線から何m以上離しますか。
- 屋外の点滅装置を鉄塔に施設するとき、取付けの高さは何mですか。
① 分岐回路と配線のルール
- 航空障害灯に電気を供給する回路は、専用の分岐回路とする必要があります。
- 建造物外面の配線は、金属管配線・合成樹脂管配線又はケーブル配線により施設します。
- ケーブルは損傷するおそれがないように施設します。
- 配線は避雷針の接地線との間を1.5m以上離します。離隔できない場合は金属管配線とします。
- 配線は灯器内に直接導入するか、灯器外で灯器のリード線と接続します。
ペン太
ハリタ| 配線の条件 | 施設の方法 |
|---|---|
| 避雷針の接地線と1.5m以上離せる | 金属管配線・合成樹脂管配線・ケーブル配線のいずれか |
| 避雷針の接地線と1.5m以上離せない | 金属管配線とする |
- 航空障害灯に電気を供給する回路は、専用の分岐回路とする。
- 建造物外面の配線は、金属管配線・合成樹脂管配線又はケーブル配線により施設する。
- 配線は避雷針の接地線との間を1.5m以上離す(離隔できない場合は金属管配線)。
- 配線は灯器内に直接導入するか、灯器外で灯器のリード線と接続する。
② 灯器と点滅装置のルール
- 灯器は使用中に緩むことがないよう堅固に取り付けます。
- 灯器は国土交通省航空局が定める仕様書に適合するものを使用します。
- 屋外の点滅装置は堅ろうな金属製防水箱内に収め、鉄塔などでは地上3m以上5m以下に取り付けます(施錠等で取扱者以外が操作できない場合を除く)。
- 屋内の点滅装置は堅ろうな金属製外箱内に収め、施錠等で取扱者以外が容易に操作できないように施設します。
| 点滅装置の場所 | 収める箱 | 取付けの位置 |
|---|---|---|
| 屋外(鉄塔その他の塔柱) | 堅ろうな金属製防水箱 | 地上3m以上5m以下(施錠等で取扱者以外が操作できない場合を除く) |
| 屋内 | 堅ろうな金属製外箱 | 施錠等で取扱者以外が容易に操作できないように施設 |
- 灯器は、使用中に緩むことがないよう堅固に取り付ける。
- 灯器は国土交通省航空局が定める仕様書に適合するものを使用する。
- 屋外の点滅装置は堅ろうな金属製防水箱内に収め、鉄塔などでは地上3m以上5m以下に取り付ける。
- 屋内の点滅装置は堅ろうな金属製外箱内に収め、施錠等で取扱者以外が容易に操作できないようにする。
③ 送電線鉄塔への施設ルール
- 航空障害灯に電気を供給する低圧の電路は、原則として専用回路とします。
- 例外として、専用の絶縁変圧器を使用し、その負荷側の1端子又は中性点にA種接地工事を施す等の条件を満たせば、他の低圧電路を接続できます。
航空障害灯の電源は、いわば「非常用の専用コンセント」のようなものです。他の機器と共用すると、その機器のトラブルで肝心のライトまで消えてしまうおそれがあります。だからこそ専用回路にして、独立して確実に点灯し続けられるようにしているのです。

| 取り違えやすいところ | 正しくは |
|---|---|
| 照明用の回路から分岐してもよい | 航空障害灯に電気を供給する回路は専用の分岐回路とする |
| 外面の配線はケーブルなら離隔は不要 | 避雷針の接地線との間を1.5m以上離す。離せない場合は金属管配線とする |
| 灯器は取り付けられていれば形式は問わない | 国土交通省航空局が定める仕様書に適合するものを使い、緩まないよう堅固に取り付ける |
| 鉄塔の低圧電路は他の負荷と共用できる | 原則として専用回路。専用の絶縁変圧器を使い負荷側の1端子又は中性点にA種接地工事を施す等の条件を満たす場合に限り接続できる |
- 送電線鉄塔の航空障害灯に電気を供給する低圧の電路は、原則として専用回路とする。
- 専用の絶縁変圧器を使用し、その負荷側の1端子又は中性点にA種接地工事を施す等の条件を満たせば、他の低圧電路を接続できる。
よくある質問(FAQ)
まとめ|専用回路・離隔・取付高さの3点で押さえる
航空障害灯の電気工事は、専用の分岐回路とし、避雷針の接地線から1.5m以上離し、点滅装置を定められた高さと箱に収めることが基本です。
| 確認する項目 | 規程が示す内容 |
|---|---|
| 電源回路 | 専用の分岐回路とする |
| 建造物外面の配線方法 | 金属管配線・合成樹脂管配線又はケーブル配線 |
| ケーブルの施設 | 損傷するおそれがないように施設する |
| 避雷針の接地線との離隔 | 1.5m以上(離せない場合は金属管配線) |
| 灯器への引込み | 灯器内に直接導入、又は灯器外でリード線と接続 |
| 灯器の取付け | 使用中に緩むことがないよう堅固に |
| 灯器の仕様 | 国土交通省航空局が定める仕様書に適合するもの |
| 屋外の点滅装置 | 堅ろうな金属製防水箱内に収める |
| 鉄塔等での取付高さ | 地上3m以上5m以下(施錠等で取扱者以外が操作できない場合を除く) |
| 屋内の点滅装置 | 堅ろうな金属製外箱内に収め、施錠等で操作を制限する |
| 送電線鉄塔の低圧電路 | 原則として専用回路 |
| 他の低圧電路を接続する場合 | 専用の絶縁変圧器を使用し、負荷側の1端子又は中性点にA種接地工事を施す等の条件を満たすこと |
回路の計画で押さえること
- 専用の分岐回路を確保できているか。
- 送電線鉄塔では低圧電路も専用にできているか。
- 他の電路を接続する場合の条件を満たしているか。
配線で押さえること
- 外面の配線方法が規定の3つのいずれかか。
- 避雷針の接地線との離隔1.5m以上を確保できるか。
- 灯器への引込み方法が規定どおりか。
機器の取付けで押さえること
- 灯器が航空局の仕様書に適合しているか。
- 屋外の点滅装置の箱と取付高さ。
- 屋内の点滅装置の施錠等による操作制限。
航空障害灯は、いったん設置すると点検の機会が限られる高所の設備です。上の表を「回路→配線→機器」の順にたどって計画段階で確認しておくと、足場を組み直すような手戻りを防ぎやすくなります。
📘 この記事の根拠規程|解説の原文は内線規程(JEAC8001-2022)に掲載されています。実務で使う方は手元に1冊どうぞ → 電気設備の必携書籍おすすめ4選【2026年版】
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