内線規程の解釈と解説【115】|配線設計
出典:内線規程(JEAC8001-2022)より
配線設計とは、どの電線をどの太さで、どこにどう通すかを決め、安全でムダのない電気の通り道をつくる設計です。ここでは内線規程にもとづき、負荷容量の算定から分岐回路数の求め方までを整理します。

この記事の結論
配線設計ではまず設備負荷容量=P×A+Q×B+Cで負荷を見積もり、合計負荷VAを1,500VAで割って必要最小の分岐回路数を求めます。大形機器は分岐回路の80%以内に抑え、余裕を持った回路数を確保することが安全設計の基本です。
ペン太
ハリタこの3つ、すぐ答えられますか
- 設備負荷容量を求める基本式は、どう表されるか
- 必要最小の分岐回路数は、どう計算するか
- 大形電気機器の負荷は、分岐回路容量の何%以内に抑えるか
負荷容量の算定
- 基本式は設備負荷容量=P×A+Q×B+C(P・Q:面積m2、A・B:標準負荷VA/m2、C:個別負荷)
- 用途別の標準負荷(3605-1表)は、工場・劇場・納屋など10、ホテル・学校・飲食店など20、事務所・銀行・美容室など30、住宅・アパート40 VA/m2
- 部分別の標準負荷(3605-2表)は、廊下・階段・倉庫などが5 VA/m2など
- 冷蔵庫・ネオンなどの個別負荷(C)は加算する
ペン太
ハリタ| 標準負荷の区分 | 対象 | 標準負荷 |
|---|---|---|
| 用途別(3605-1表) | 工場・劇場・納屋など | 10 VA/m² |
| 用途別(3605-1表) | ホテル・学校・飲食店など | 20 VA/m² |
| 用途別(3605-1表) | 事務所・銀行・美容室など | 30 VA/m² |
| 用途別(3605-1表) | 住宅・アパート | 40 VA/m² |
| 部分別(3605-2表) | 廊下・階段・倉庫など | 5 VA/m² |
- 基本式は 設備負荷容量=P×A+Q×B+C(P・Qは面積m²、A・Bは標準負荷VA/m²、Cは個別負荷)
- 用途別の標準負荷(3605-1表)は、工場・劇場・納屋など10、ホテル・学校・飲食店など20
- 事務所・銀行・美容室などは30、住宅・アパートは40 VA/m²
- 部分別の標準負荷(3605-2表)は、廊下・階段・倉庫などが5 VA/m²など
- 冷蔵庫・ネオンなどの個別負荷(C)は加算する
分岐回路とブレーカーの選定
- 分岐回路の種類とブレーカー定格(3605-4表)は、15A分岐=15A以下、20A分岐(配線用遮断器/ヒューズ)=20A、30A=30A、40A=40A、50A=50A、50A超=電線の許容電流以下
- 必要最小の分岐回路数は合計負荷VA÷1,500VA(端数切り上げ)で求める
- 計算例:合計8,250VA÷1,500VA=5.5→6回路。これにエアコン専用1回路を加え合計7回路
- IHクッキングヒーター・エアコン・電子レンジなどの大電力機器は専用回路にするのが基本
- 大形電気機器(冷蔵庫・換気扇・送風機など)は、原則として分岐回路の80%以内の負荷容量に抑える
- 分岐回路の種類とブレーカー定格は3605-4表による
- 必要最小の分岐回路数は、合計負荷VA÷1,500VA(端数切り上げ)
- 計算例では8,250VA÷1,500VA=5.5→6回路、エアコン専用1回路を加えて合計7回路
- IHクッキングヒーター・エアコン・電子レンジなどの大電力機器は専用回路にするのが基本
- 大形電気機器(冷蔵庫・換気扇・送風機など)は、原則として分岐回路の80%以内の負荷容量に抑える
単相3線式分岐回路の注意点
- 単相3線式は2本の電圧側電線(L1・L2)と1本の中性線(N)からなり、L1-N・L2-Nで100V、L1-L2で200Vが使える
- 電圧側電線(100V)を同一相に偏らせず、電圧のバランスをとる
- 中性線が切れると異常電圧になるため、欠相対策が必須
- 住宅の分岐回路数は3605-5表を参考にし、必要に応じて増やしてよい
たとえ話でイメージ
配線設計は、住む人の数に合わせて家の「電気の水道管」を引く作業に似ています。蛇口(コンセント)をたくさん使う家なら太い管と多くの枝分かれ(分岐回路)が必要。少なすぎると、あちこちで同時に使ったときに元栓(ブレーカー)が落ちてしまうのです。

| 取り違えやすいところ | 正しくは |
|---|---|
| 分岐回路の容量いっぱいまで機器を載せてよい | 大形電気機器は分岐回路容量の80%以内に抑える |
| 回路数の計算で端数は切り捨てる | 切り上げる(5.5なら6回路) |
| 計算で出た回路数がそのまま最終値 | エアコンなどの専用回路を別に加える |
| 単相3線式なら相の振り分けは自由 | 電圧側電線を同一相に偏らせず、バランスをとる |
| 中性線が切れても電圧が下がるだけ | 異常電圧になるため、欠相対策が必須 |
- 単相3線式は2本の電圧側電線(L1・L2)と1本の中性線(N)からなる
- L1-N・L2-Nで100V、L1-L2で200Vが使える
- 電圧側電線(100V)を同一相に偏らせず、電圧のバランスをとる
- 中性線が切れると異常電圧になるため、欠相対策が必須
- 住宅の分岐回路数は3605-5表を参考にし、必要に応じて増やしてよい
よくある質問(FAQ)
まとめ|面積から積み上げ、専用回路を足す
配線設計は「面積×標準負荷で土台を出し、個別負荷を足し、1,500VAで割って回路数を求め、専用回路を加える」という積み上げで進みます。最後に単相3線式のバランスと欠相対策を確認すれば形になります。
| 確認する順番 | やること | よりどころ |
|---|---|---|
| Step1 | 用途別・部分別の標準負荷を当てる | 3605-1表・3605-2表 |
| Step2 | 個別負荷を加算する | 冷蔵庫・ネオンなど |
| Step3 | 合計VA÷1,500VAで回路数を出す | 端数は切り上げ |
| Step4 | 大電力機器の専用回路を加える | IH・エアコン・電子レンジなど |
| Step5 | 相のバランスと欠相対策を確認 | 単相3線式の注意点、3605-5表 |
回路数は計算で出た数が下限で、住宅では3605-5表を参考に増やして構いません。あとから機器が増えることを見込んで、余裕を1回路分持たせておくと使い勝手が変わります。
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内線規程の実務では、規程集や技術資料を手元に置いておくと確認がぐっと早くなります。
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