内線規程の解説 PR

内線規程の解釈と解説【114】|配線設計

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出典(内線規程(JEAC8001-2022))より

contents
  1. 配線設計とは?
    1. 負荷の想定
  2. 用途別の負荷容量
  3. 建物部分別の負荷容量
  4. 標準負荷に加算すべきVA数とは?
  5. 建物用途別の加算VA数
  6. 3605-3表 受口の種類による予想負荷とは?
  7. 受口の種類と予想負荷
  8. 分岐回路とは?
  9. 分岐回路の種類と選定方法
  10. 分岐回路の安全な配線方法
  11. 分岐回路数の計算方法
  12. 分岐回路数を決める際の注意点
  13. 分岐回路数の計算例
  14. 連続負荷を有する分岐回路の負荷容量
  15. 連続負荷を考慮した分岐回路の選定
  16. 単相3線式分岐回路とは?
  17. 単相3線式分岐回路の注意点
  18. 住宅の分岐回路数
  19. 住宅の広さと分岐回路数
  20. 分岐回路の開閉器と過電流遮断器の取付け
  21. 分岐回路の開閉器と過電流遮断器の取付けに関する備考
  22. 定格電流が50Aを超える電気使用機械器具の分岐回路
  23. 単相3線式分岐回路の開閉器及び過電流遮断器の施設
  24. 分岐回路用過電流遮断器の種類
  25. コード短絡保護用瞬時遮断機能とは?
  26. 分岐回路の電線太さとは?
  27. 分岐回路の電線太さの選定方法
  28. 3605-6表 分岐回路の電線太さ
  29. 100V回路の電線太さの選定方法
  30. 表を使用する際の注意点
  31. 電圧降下と許容電流を考慮する
  32. 15A分岐回路及び20A配線用遮断器分岐回路の電線太さ
  33. 分岐回路に接続する受口とは?
  34. 住宅におけるコンセントの施設数の基準
  35. 幹線の電線太さの選定方法
  36. 10kVAを超える容量に対する需要率
    1. 旅館の場合の計算例
  37. 住宅の幹線(引込線取付点から引込口装置まで)の電線太さの選定方法
  38. 3605-12表 住宅の幹線の太さ
  39. 幹線の簡便設計とは?
    1. 簡便設計のメリット
    2. 簡便設計の注意点

配線設計とは?

配線設計とは、電気設備を安全かつ効率的に使用するために、電気配線の種類、太さ、長さ、経路などを計画することです。

負荷の想定

使用電圧が100Vの電灯及び小形電気機械器具の負荷容量の想定

  • 配線を設計するための使用電圧が100Vの電灯及び小形電気機械器具の負荷容量の想定は、以下の各号によります。
  • ただし、施設者の希望、物品の種類などにより、これによらない場合は、この限りではありません。(勧告)
  • 設備負荷容量は、以下のa及びbに示す建物の種類並びにその部分に応じた標準負荷に床面積を乗じた値に、cに示す建物などに応じた負荷(VA)を加えた値とします。

 

注釈1 上記の内容を式で示すと、次のようになります。

設備負荷容量 = PA + QB + C

  • Pの部分は、3605-1表の建物の床面積(m²)
  • Qの部分を除く。
  • Qの部分は、3605-2表の建物の部分の面積(m²)
  • Aは、3605-1表の標準負荷(VA/m²)
  • Bは、3605-2表の標準負荷(VA/m²)
  • Cは、加算すべきVA数

注釈2 集合住宅(全電化を除く。)の負荷の想定例については、資料3-6-1を参照のこと。

注釈3 全電化集合住宅の負荷の想定例については、資料3-6-2を参照のこと。

用途別の負荷容量

3605-1表では、建物の用途に応じて以下の標準負荷が定められています。

建物の種類 標準負荷 (VA/m²)
工場、公会堂、寺院、教会、劇場、映画館、寄席、ダンスホール、農家の納屋など 10
寮、下宿屋、旅館、ホテル、クラブ、病院、学校、料理店、喫茶店、飲食店、公衆浴場 20
事務所、銀行、商店、理髪店、美容院 30
住宅、アパート 40

 

3605-2表 部分的標準負荷とは、住宅やアパートを除く建物において、特定の部屋やスペースにおける1平方メートルあたりの標準的な負荷容量(VA/m²)を示したものです。この表は、建物全体ではなく、特定の部屋やスペースの電気設備容量を計算する際に用いられます。

建物部分別の負荷容量

3605-2表では、建物部分に応じて以下の標準負荷が定められています。

建物の部分 標準負荷 (VA/m²)
廊下、階段、手洗所、倉庫、貯蔵室 5
講堂、観客席 10

標準負荷に加算すべきVA数とは?

標準負荷に加算すべきVA数とは、建物全体の標準負荷に加えて、特定の部屋や設備など、個別に容量を計算する必要がある負荷のことです。これらの負荷は、建物の用途や設備の種類によって異なり、正確なVA数を把握することで、安全かつ効率的な電気配線設計が可能になります。

建物用途別の加算VA数

与えられた画像には、建物用途別に以下の加算VA数が記載されています。

建物用途 加算VA数
住宅、アパート(1世帯ごと) 500~1,000VA
商店のショーウィンドウ(間口1mごと) 300VA
屋外の広告灯、電光サイン、ネオンサインなど 個別に計算
劇場、映画館、ダンスホールなどの舞台照明及び映画館などの特殊な電灯負荷 個別に計算

 

3605-3表 受口の種類による予想負荷とは?

3605-3表 受口の種類による予想負荷とは、電気設備の設計において、受口(コンセントや照明器具の接続口)の種類ごとに、予想される負荷容量(VA/個)を示したものです。この表は、電気配線の容量を計算する際に用いられ、安全かつ適切な電気配線設計を行う上で重要な役割を果たします。

受口の種類と予想負荷

3605-3表では、受口の種類に応じて以下の予想負荷が定められています。

受口の種類 予想負荷 (VA/個)
並形電灯受口、コンセント 150
大形電灯受口 300

分岐回路とは?

分岐回路とは、分電盤から各部屋のコンセントや照明器具など、電気機器に電気を供給する配線のことです。分岐回路の種類は、使用する電気機器の容量や用途によって異なり、適切な回路を選ぶことが安全な電気配線設計の第一歩となります。

分岐回路の種類と選定方法

分岐回路の種類は、保護する分岐過電流遮断器(ブレーカー)の定格電流によって決まります。3605-4表に、分岐回路の種類と定格電流の関係がまとめられています。

分岐回路の種類 分岐過電流遮断器の定格電流
15A分岐回路 15A以下
20A配線用遮断器分岐回路 20A(配線用遮断器に限る)
20A分岐回路 20A(ヒューズに限る)
30A分岐回路 30A
40A分岐回路 40A
50A分岐回路 50A
50Aを超える分岐回路 配線の許容電流以下

ポイント

  • 家庭用の一般的なコンセントや照明器具には、15Aまたは20Aの分岐回路が使用されます。
  • エアコンやIHクッキングヒーターなど、消費電力の大きい電気機器には、30A以上の分岐回路が必要です。
  • 分岐回路の種類は、接続する電気機器の合計消費電力を考慮して選定する必要があります。

 

分岐回路の安全な配線方法

1. 専用回路の設置

  • 電気機器1台ごとに専用の分岐回路を設けることが推奨されます。
  • 特に、消費電力の大きい電気機器(エアコン、IHクッキングヒーターなど)は、他の電気機器と共用しない専用回路を設けることで、電気の使い過ぎによるブレーカー落ちや火災のリスクを軽減し、安全性を高めることができます。

 

2. 単相3線式分岐回路の配線(住宅用)

住宅に単相3線式分岐回路を施設する場合は、以下の点に注意する必要があります。

  • ケーブル配線:JIS規格(3165節)に規定されたケーブル配線を使用します。
  • 電線の識別:JIS規格(1315-6)に基づき、電線を色分けなどで識別します。
  • 負荷の接続:中性線と電圧側電線間の負荷(コンセント)は、同一の相の電圧側電線に接続します。
  • 中性線欠相対策:中性線が欠相した場合でも、電気機器に異常電圧がかからないように配線します。
  • 受口の種類:分岐回路に接続する受口はコンセント専用とし、電灯受口は設けないようにします。
  • 片寄せ配線:100V回路の電圧側電線を同一の相に接続します。
  • 中性線欠相保護:中性線欠相時に電路を自動遮断する装置を設置します。

 

分岐回路数の計算方法

電気回路の設計において、必要最小限の分岐回路数を決定する方法を、わかりやすく丁寧に説明します。

1. 100V回路の必要最小分岐回路数

  • 使用電圧100Vの15Aまたは20Aの配線用遮断器を使用する場合、必要最小分岐回路数は、以下の計算式で求めます。
    • 設備負荷容量(VA)÷ 1,500VA = 必要最小分岐回路数
  • 設備負荷容量は、JIS C 3605-1(負荷の想定)に基づいて算出します。
  • 計算結果に端数が生じた場合は、切り上げます。

 

2. その他の負荷の分岐回路数

  • 100V回路以外の負荷(例:200V回路、大型電気機器など)については、個別に分岐回路数を算出する必要があります。
  • 算出方法は、電気機器の容量と使用電圧によって異なります。
  • 定格電流が10Aを超える据置形の大形電気機械器具については、専用の分岐回路を設けることが推奨されます。

 

まとめ

  • 100V回路の必要最小分岐回路数は、設備負荷容量を1,500VAで除して求めます。
  • その他の負荷については、個別に分岐回路数を算出する必要があります。
  • 安全性を考慮し、大型電気機器には専用の分岐回路を設けることが推奨されます。

 

分岐回路数を決める際の注意点

  • 上記の計算方法は、あくまで必要最小回路数を求めるためのものです。実際の分岐回路数は、建物の用途や電気機器の数、将来的な増設などを考慮して決める必要があります。
  • 分岐回路数が不足すると、電気機器の使用時にブレーカーが落ちたり、電気配線が発熱したりする危険性があります。
  • 分岐回路数は、余裕をもって多めに確保することが安全な電気配線設計のポイントです。

 

分岐回路数の計算例

以下のような店舗併設住宅の分岐回路数計算例が記載されています。

設備負荷容量の算出

3605-1(負荷の想定)の式を用いて、設備負荷容量を算出します。

  • 住宅部分の床面積:120m²
  • 店舗部分の床面積:50m²
  • 倉庫の床面積:10m²
  • 住宅部分の標準負荷:40VA/m²
  • 店舗部分の標準負荷:30VA/m²
  • 倉庫の標準負荷:5VA/m²
  • 住宅に対する加算VA数:1,000VA
  • ショーウィンドウに対する加算VA数:900VA

設備負荷容量:(120m² × 40VA/m²) + (50m² × 30VA/m²) + (10m² × 5VA/m²) + 1,000VA + 900VA = 8,250VA

必要最小回路数の算出

設備負荷容量を1,500VAで割り、必要最小回路数を算出します。

8,250VA ÷ 1,500VA = 5.5

端数を切り上げて6回路となります。

合計回路数の算出

上記の6回路に、定格電流11Aのルームエアコンディショナ用の1回路を加え、合計回路数は7回路となります。

 

連続負荷を有する分岐回路の負荷容量

連続負荷を有する分岐回路の負荷容量は、その分岐回路を保護する過電流遮断器の定格電流の80%を超えないことが推奨されています。

連続負荷を考慮した分岐回路の選定

連続負荷を使用する場合、分岐回路の負荷容量は、その分岐回路を保護する過電流遮断器の定格電流の80%を超えないようにする必要があります。

  • 80%を超えて使用する場合は、過電流遮断器の動作原理や電圧変動の範囲などを考慮し、連続使用状態で動作しないように留意する必要があります。

 

単相3線式分岐回路とは?

単相3線式分岐回路とは、住宅などの単相3線式配線方式で、100Vと200Vの電気機器を同時に使用できるようにする回路です。単相3線式分岐回路を使用することで、エアコンやIHクッキングヒーターなどの200V機器を使用する際に、専用の配線工事が不要になります。

単相3線式分岐回路の注意点

  • 住宅に単相3線式分岐回路を施設する場合、単相3線式の電気機械器具(配線器具を除く)は、配線と直接接続して施設する必要があります。
  • やむを得ずコンセントを使用する場合は、他の電気機械器具が接続されないように「単相3線」の表示をする必要があります。
  • 住宅以外の単相3線式分岐回路への機械器具の施設も、配線と直接接続して施設することが推奨されます。

 

住宅の分岐回路数

住宅の分岐回路数は、3605-5表を参考にします。3605-5表は、住宅の標準的な分岐回路数を示したもので、設計に当たっては、適宜増加しても構いません。

住宅の広さと分岐回路数

3605-5表では、住宅の広さ(m²)に応じて、以下の望ましい分岐回路数が定められています。

住宅の広さ (m²) 内訳 α (個別に算出した分岐回路数)
50 (15坪) 以下 4+α 電灯用:1、台所用:2、台所用以外:1 厨房用大形機器、ルームエアコンディショナ、衣類乾燥機などの設置数により増加させる分岐回路数(200V分岐回路を含む)
70 (20坪) 5+α 電灯用:1、台所用:2、台所用以外:2 同上
100 (30坪) 6+α 電灯用:2、台所用:2、台所用以外:2 同上
130 (40坪) 8+α 電灯用:2、台所用:2、台所用以外:4 同上
170 (50坪) 10+α 電灯用:3、台所用:2、台所用以外:5 同上
170 (50坪) 超過 11+α 電灯用:3、台所用:2、台所用以外:6 同上

 

分岐回路の開閉器と過電流遮断器の取付け

低圧幹線との分岐点から電線の長さが3m以下の場合

  • 低圧幹線との分岐点から電線の長さが3m以下の箇所に、過電流遮断器を施設する必要があります。

低圧幹線との分岐点から電線の長さが3mを超える場合

  • ただし、以下のいずれかに該当する場合は、分岐点から3mを超える箇所に施設することができます。
  • 電線の許容電流が、その電線に接続する低圧幹線を保護する過電流遮断器の定格電流の55%以上である場合
  • 電線の長さが8m以下であり、かつ、電線の許容電流がその電線に接続する低圧幹線を保護する過電流遮断器の定格電流の35%以上である場合

分岐回路の開閉器と過電流遮断器の取付けに関する備考

電灯回路のみ又は電動機負荷の合計が電灯負荷の合計より少ない場合は、B1の定格電流値を幹線の許容電流値Iに置き換えることができます。

幹線と分岐線に使用する電線の種類及び材質(銅又はアルミ)が同一の場合、3605-4図について分岐線の断面積が幹線の1/5以上ある場合は②に、1/2以上ある場合は①にそれぞれ適合するとみなすことができます

 

定格電流が50Aを超える電気使用機械器具の分岐回路

定格電流が50Aを超える一つの電気使用機械器具に至る分岐回路を保護する過電流遮断器は、その定格電流が当該電気使用機械器具の定格電流を1.3倍した値を超えないものである必要があります。

当該電気使用機械器具の定格電流を1.3倍した値が過電流遮断器の標準定格に該当しないときは、その値の直近上位の定格のものを含みます。

 

単相3線式分岐回路の開閉器及び過電流遮断器の施設

住宅に施設する単相3線式分岐回路の開閉器及び過電流遮断器は、分電盤内又はその近い箇所に施設する必要があります。

電動機又は加熱装置の手元開閉器の施設は、3302-1(手元開閉器)によります。

 

分岐回路用過電流遮断器の種類

住宅の分岐回路用過電流遮断器は、以下の2点に適合する必要があります。

  1. 配線用遮断器を使用すること。
  2. コンセントを有する回路(据置型の大型電気機械器具等への専用回路のものを除く。)に施設する配線用遮断器には、JIS C 8211(2004)「住宅及び類似設備用配線用遮断器」に適合するコード短絡保護用瞬時遮断機能を有するものを使用すること。

 

コード短絡保護用瞬時遮断機能とは?

コード短絡保護用瞬時遮断機能とは、コード短絡時に周辺可燃物への着火による火災の発生を抑えるため、コードに流れる短絡電流を瞬時に遮断する機能をいいます。

分岐回路の電線太さとは?

分岐回路の電線太さとは、分電盤から各部屋のコンセントや照明器具など、電気機器に電気を供給する配線の太さのことです。適切な電線太さを選定することは、安全な電気配線設計の基本となります。

分岐回路の電線太さの選定方法

分岐回路の電線太さは、3605-2(分岐回路の種類)に規定する分岐回路の種類に応じ、3605-6表に示す値以上のものを選定する必要があります。

  • ただし、分岐点から一つの受口に至る部分で、長さが3m以下の部分にコンセントを施設する場合は、当該部分を通過する負荷電流以上の許容電流を有する電線を選定する必要があります。
  • 3102-4(配線に用いる電線太さ)の①から④までのいずれかに該当する場合は、上記の規定は適用されません。

3605-6表 分岐回路の電線太さ

分岐回路の種類 分岐回路一般 ライティングダクト 分岐点から一つの受口に至る部分 (長さが3m以下の場合に限る)
15A配線用遮断器 直径1.6mm (断面積1.0mm²) 15Aのもの 直径1.6mm (断面積1.0mm²)
20A配線用遮断器 (ヒューズに限る) 直径2.0mm (断面積1.5mm²) 15A又は20Aのもの 直径1.6mm (断面積1.0mm²)
30A 直径2.6mm (断面積2.5mm²) 30Aのもの 直径1.6mm (断面積1.0mm²)
40A 断面積8mm² (断面積6mm²) 直径2.0mm (断面積1.5mm²)
50A 断面積14mm² (断面積10mm²) 直径2.0mm (断面積1.5mm²)
50Aを超えるもの 当該過電流遮断器の定格電流以上の許容電流を有するもの

1. 分岐点から受口までの距離が3mを超える場合
分岐点から一つの受口に至る部分において、分岐回路一般欄で規定している電線太さ以上のものを使用すれば、長さ3m以下に限定されず、より長い距離でも使用可能です。
2. 銅線のMIケーブル使用
銅線の()は、MIケーブル(ミネラルインシュレーションケーブル)を使用する場合の電線太さを示しています。MIケーブルは、耐熱性、耐火性に優れており、高温になる場所や火災の危険性がある場所で使用されます。
3. 電光サイン装置など、最大使用電流が5A以下の場合
電光サイン装置のように、一定した負荷で最大使用電流が5A以下の場合は、全回路にわたり銅電線1.6mmを使用できます。
4. ライティングダクトの定格電流
ライティングダクトは、ダクト本体に表示された定格電流を使用する必要があります。定格電流を超えて使用すると、火災などの事故につながる可能性があります。
5. 単相3線式分岐回路への適用
この表は、単相3線式分岐回路にも適用されます。単相3線式分岐回路は、100Vと200Vの電気機器を同時に使用できる便利な回路ですが、電線太さの選定には注意が必要です。
6. 許容電流を満たすケーブルサイズの適用
許容電流を満たす仕様のケーブルサイズを適用しても構いません。ただし、製品によってはケーブルが対応できても、接続する製品側が対応できない場合があります。接続する製品の仕様をよく確認してください。

100V回路の電線太さの選定方法

100V回路の電線太さは、3605-7表によります。3605-7表は、分岐過電流遮断器から最終受口までの電線こう長(距離)に応じた電線太さ(銅線)の基準を示したものです。

表を使用する際の注意点

非常灯又は100V級電気時計の専用部分は、全回路にわたり銅電線1.6mmとすることができます。

200V単相2線式、200/400V単相3線式及び200/346V又はこれら以上の電圧で供給する三相3線式の場合は、全回路にわたり銅電線1.6mmとすることができます。

分岐過電流遮断器から最終端受口までの電線こう長が40mを超過する場合は、個々に計算する必要があります。

電圧降下と許容電流を考慮する

前項(3605-5)の分岐回路の電線太さは、前項の規定によるほか、1310節(電圧降下)及び1340節(許容電流)の規定を考慮して決定する必要があります。

電圧降下とは、電線が長くなるほど電圧が低下する現象のことです。電圧降下が大きすぎると、電気機器が正常に動作しなくなる可能性があります。

許容電流とは、電線に流せる最大の電流値のことです。許容電流を超える電流を流すと、電線が発熱し、火災の原因となる可能性があります。

15A分岐回路及び20A配線用遮断器分岐回路の電線太さ

前項に規定する15A分岐回路又は20A配線用遮断器分岐回路の電線は、定格電流が15A以下の受口を施設する場合に限り(定格電流が20Aの受口を施設する場合は、前項の規定によります。)、次の各号の太さ以上のものを使用する必要があります。

 

分岐回路に接続する受口とは?

分岐回路に接続する受口とは、分電盤から各部屋のコンセントや照明器具など、電気機器に電気を供給する配線(分岐回路)に接続する接続口のことです。受口の種類は、分岐回路の種類(ブレーカーの定格電流)によって異なり、適切な受口を選定することは、安全な電気配線設計の基本となります。

住宅におけるコンセントの施設数の基準

住宅におけるコンセントの施設数は、3605-10表によります。3605-10表は、住宅の広さや部屋数に応じたコンセントの標準的な数を示したもので、設計に当たっては適宜増加しても構いません。

幹線の電線太さの選定方法

  1. 電圧降下と許容電流を考慮する
    • 幹線の電線太さは、1310節(電圧降下)及び1340節(許容電流)の規定を考慮して決定する必要があります。
    • 電圧降下とは、電線が長くなるほど電圧が低下する現象のことです。電圧降下が大きすぎると、電気機器が正常に動作しなくなる可能性があります。
    • 許容電流とは、電線に流せる最大の電流値のことです。許容電流を超える電流を流すと、電線が発熱し、火災の原因となる可能性があります。
  2. 負荷電流を考慮する
    • 電線は、低圧幹線の各部分ごとに、その部分を通じて供給される電気使用機械器具の定格電流の合計以上の許容電流のあるものである必要があります。
    • 需要率、力率などが明らかな場合は、これらによって適当に修正した負荷電流値以上の許容電流のある電線を使用することができます。

10kVAを超える容量に対する需要率

電灯及び小形電気機械器具の容量の合計が10kVAを超えるものは、その超過容量に対して3605-11表の需要率を適用することができます。

建物の種類 需要率 (%)
住宅、寮、アパート、旅館、ホテル、病院、倉庫 50
学校、事務所、銀行 70

旅館の場合の計算例

電灯及び小形電気機械器具 30kVA、大形電気機械器具 5kVA、適用需要率 50%の場合、最大使用負荷は以下のようになります。

  • (30kVA – 10kVA) × 0.5 + 10kVA + 5kVA = 25kVA

 

住宅の幹線(引込線取付点から引込口装置まで)の電線太さの選定方法

住宅の幹線(引込線取付点から引込口装置まで)の電線太さは、1310節(電圧降下)の規定によるほか、分岐回路数により3605-12表に示す値以上とする必要があります。

3605-12表 住宅の幹線の太さ

分岐回路数 電線太さ(銅線)
単2 (mm²)
2 5.5
3 8
4 14
5~6
7~8
9~10

1. 200V分岐回路が含まれる場合の電線太さ
この表は、使用電圧100Vの15A分岐回路又は20A配線用遮断器分岐回路のみを対象としているため、使用電圧200Vの15A分岐回路又は20A配線用遮断器分岐回路が含まれる場合は、200V分岐回路数を2倍した値に100V分岐回路数を加えた値により、上表の単3欄を適用することができます。
2. 特殊な分岐回路や分岐回路数が表を超える場合
[備考1]以外の特殊な分岐回路がある場合及び分岐回路数が上表以上の場合、1項の規定により電線太さを決定する必要があります。
3. 単2で3回路以上の場合の電線太さ
単2で3回路以上の場合において、使用電流が30Aを超えるおそれがなく、かつ、負荷の増加に応じて単3に変更できる設備については、銅電線2.6mmとすることができます。
4. 電線太さの適用範囲
電線太さは、金属管(線ぴ)配線及び合成樹脂管(線ぴ)配線において同一管内に3本以下の電線を収める場合、金属ダクト、フロアダクト又はセルラダクト配線の場合及びVVケーブル配線において心線数が3本以下のものを1条施設する場合(VVケーブルを屈曲がはなはだしくなく、2m以下の電線管などに収める場合を含む。)を示しています。
がいし引き配線の場合は、表より一段細くしても構いません。

幹線の簡便設計とは?

3605-9 幹線の簡便設計とは、負荷想定により幹線(引込線取付点から引込口装置までの配線を含む)に流れる電流が明らかな場合に、幹線の電線太さ及び幹線を保護する過電流遮断器を3605-13表により施設する方法です。

簡便設計のメリット

負荷電流が明らかな場合は、3605-13表を用いることで、比較的容易に幹線の電線太さ及び過電流遮断器を選定することができます。

通常の設計方法よりも、設計時間を短縮できる場合があります。

 

簡便設計の注意点

  • 3605-13表は、あくまで目安です。実際の設計は、電圧降下や許容電流などを考慮して行う必要があります。
  • 負荷電流が不明な場合は、通常の設計方法を用いる必要があります。

 


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