内線規程の解説 PR

内線規程の解釈と解説【075】|不燃性じんあいの多い場所

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出典(内線規程(JEAC8001-2022))より

 

不燃性粉じんとは?

不燃性粉じんとは、燃えない粉じんのことです。しかし、電気設備の絶縁性能や導電性能を劣化させ、感電や火災の原因となることがあります。

設置基準

不燃性粉じんが多い場所での電気設備は、粉じんによる絶縁性能や導電性能の劣化を防ぎ、感電や火災のリスクを最小限に抑えるよう設置する必要があります。

配線方法

不燃性粉じんが多い場所での配線には、以下の方法が推奨されます。

  • がいし引き配線
  • 金属管配線
  • 合成樹脂管配線(厚さ2mm未満の合成樹脂製電線管及びCD管を除く)
  • 金属製可とう電線管配線
  • 金属ダクト配線
  • バスダクト配線(換気形のダクトを使用するものを除く)
  • ケーブル配線
  • キャブタイヤケーブル配線

 

移動電線

ハンドランプや可搬工具などに使用する移動電線は、以下のいずれかのケーブルを使用する必要があります。

  • キャブタイヤコード
  • キャブタイヤケーブル
  • 耐燃性ポリオレフィンキャブタイヤケーブル
  • ビニルキャブタイヤケーブル
  • 耐燃性エチレンゴムキャブタイヤケーブル
  • クロロプレンキャブタイヤケーブル

 

開閉器、コンセント、過電流遮断器など

これらの機器は、堅牢で粉じんが侵入しにくい外箱を備えたもの、または堅牢なキャビネットに収納する必要があります。

粉じんによる事故のリスク

粉じんが多い場所では、粉じんが電気設備の絶縁性能を低下させたり、導電性を高めたりすることで、感電や火災のリスクが高まります。

照明器具の設置

粉じんが付着するおそれがある位置に設置する照明器具は、粉じんによって絶縁が低下したり、その他障害が発生したりしないものを選びましょう。

A形蛍光ランプを露出して使用する場合は、付着した粉じんが吸湿して始動困難となるおそれがあるため注意が必要です。

 

電動機その他の電力装置の設置

1. 全閉形電動機の選定

粉じんが付着する可能性のある場所では、全閉形電動機を選びましょう。全閉形電動機は、粉じんによる故障を防ぎ、安全な運転を維持します。

ただし、適切な防じん箱内に設置する場合は、全閉形である必要はありません。

2. 加熱装置の選定

粉じんが付着する可能性のある場所では、粉じんによる絶縁低下や故障を防ぐために、適切な加熱装置を選びましょう。

3. 電気機械器具の防じん対策

粉じんが付着することで、温度が異常に上昇したり、絶縁性能や開閉機構の性能が低下する可能性のある電気機械器具には、防じん装置を設置しましょう。

 

電線と電気機械器具の接続

電線と電気機械器具の接続部は、振動によって緩まないように、止めナットやばね座金などを用いて緩み止めを施し、電気的に完全に接続しましょう。

 

接地工事

機械器具の鉄台、金属製外箱、鉄わくなどは、1350-2(機械器具の金属製外箱などの接地)の規定に準じて接地工事を施しましょう。

 


(キーワード)

不燃性粉じん、電気設備、配線、ケーブル、開閉器、コンセント、過電流遮断器、電気工事、安全基準


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