出典(内線規程(JEAC8001-2022))より
低圧屋外照明施設の施設基準と安全対策|電気工事のポイント
低圧屋外照明施設とは?
「低圧屋外照明施設」とは、道路、公園、駐車場などの屋外に設置される低圧照明設備のことを指します。夜間の安全な視認性を確保するために不可欠な設備です。
対地電圧の基準
供給される電路の対地電圧には制限があります。
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原則として 150V以下
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ただし、架空配線以外+簡易接触防護措置+放電灯またはLED照明器具を使用する場合は、300V以下まで可能です。
配線に関する基本原則
屋外照明専用回路とすること
引込開閉器から分岐する回路は、屋外照明施設専用とし、他の電気設備と併用してはなりません。
これは、安全性確保とメンテナンス性向上の観点から定められています。
架空配線に関する施設基準
設置条件と制限
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道路幅の制限
市街地における道路灯の設置では、以下の制限があります。-
道路幅20m超:設置不可
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中央電灯列方式:道路幅10m超は設置不可
(※道路幅には歩道も含みます)
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法令遵守と承認手続き
道路法等の法令に適合させ、道路管理者の承認を得る必要があります。
開閉器と過電流遮断器の設置基準
設置位置と構成
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原則:引込点近くの電路各極に設置(中性極は除く)
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架空方式:単極でも可
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開閉機能付き遮断器:遮断器のみで可
施設上の注意点
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感電防止のための充電部露出防止
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防湿・防雨・防まつ・防浸などJIS準拠の保護構造を選定
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照明ポール内など特例構造は除外可
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開閉器の取り付け位置
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地上1.8m以上が原則
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特例(照明ポール内・技術的制約等)では低設置も可
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自動点滅器の接続方法
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単極自動点滅器は電圧側電線に接続
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引込開閉器の負荷側での接続が基本
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まとめ:低圧屋外照明施設は「安全第一」で設計・施工を!
低圧屋外照明施設は、公共の安全と利便性を守る重要なインフラ設備です。
設置にあたっては、対地電圧・電線種別・配線方式・開閉器の設置場所まで細かい基準が設けられており、確実な法令遵守と安全設計が求められます。