技術図書館畑でよく見かけるが、原則は施設できない田畑や牧場で家畜や野獣を防ぐ場合だけの例外。感度電流15mA以下・0.1秒以下とD種接地がセットこの資料をスライドで見る資料一覧を見る
この記事は連載「内線規程の解釈と解説」(全119回)の1本です。
全体像:内線規程【083】電気さくの施設
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出典:内線規程(JEAC8001-2022)より

電気さくは、屋外に裸電線を固定し、その電線に充電して使用するさくです。家畜の脱出防止や野獣の侵入防止に役立つ一方、扱い方を誤ると感電や火災の危険があります。内線規程では原則として施設を禁止したうえで、限られた条件と安全対策のもとでのみ施設を認めています。

電気さくの施設の3つのポイント(原則禁止・電源と漏電遮断器・安全対策と接地)を整理した図解

結論

電気さくは原則施設禁止で、田畑・牧場などで獣害を防ぐ場合のみ例外的に施設できます。電源は専用の電気さく用電源装置を用い、条件により感度電流15mA以下・動作時間0.1秒以下の漏電遮断器を施設し、外箱・鉄心にはD種接地工事と危険表示を行います。

この記事でわかること
✔ 施設できる場所と電源装置
✔ 漏電遮断器と配線・開閉器
✔ 危険表示・電波障害防止・接地
ペン太ペン太
電気さくって畑でよく見るのに、原則禁止だったんですか!?
ハリタハリタ
はい。田畑や牧場で家畜や野獣への対策が必要な場合に限り、条件付きで認められています。

この3つ、すぐ答えられますか

  • 電気さくを施設できるのは、どんな場合に限られるか
  • 漏電遮断器が必要になる条件と、その定格感度電流・動作時間はいくつか
  • 電源装置の外箱と変圧器の鉄心には、どの接地工事を施すか
この記事でわかること
機器の選定値は、2つ目の項にまとめています。

施設できる場所と電源装置

トピック1:施設できる場所と電源装置
  • 電気さくは原則として施設できませんが、田畑・牧場などで家畜の脱出や野獣の侵入を防止する場合に限り、感電・火災のおそれがないように施設できます。
  • 電源は、電気用品安全法の適用を受ける電気さく用電源装置、または出力電流が制限される電源装置を使用します。
  • 直流電源装置を介する場合は、電気用品安全法の適用を受ける直流電源装置、蓄電池、太陽電池などから供給を受けます。
ペン太ペン太
漏電遮断器はどんなものでも付ければOKですか?
ハリタハリタ
使用電圧30V以上なら感度電流15mA以下・動作時間0.1秒以下が必須です。数字まで決まっています。
ここまでのポイント
  • 電気さくは原則として施設できない
  • 田畑・牧場などで家畜の脱出や野獣の侵入を防止する場合に限り、感電・火災のおそれがないように施設できる
  • 電源は、電気用品安全法の適用を受ける電気さく用電源装置、または出力電流が制限される電源装置を使用する
  • 直流電源装置を介する場合は、電気用品安全法の適用を受ける直流電源装置、蓄電池、太陽電池などから供給を受ける

漏電遮断器と配線・開閉器

トピック2:漏電遮断器と配線・開閉器
  • 電源装置(直流を介す場合は直流電源装置)が使用電圧30V以上の電源から供給を受け、人が容易に立ち入る場所に施設する場合は、電流動作型で定格感度電流15mA以下・動作時間0.1秒以下の漏電遮断器を施設します。
  • 二次側配線は、屋外部分は構内電線路の規定に、屋内・屋側部分は絶縁電線等を用い低圧配線方法の規定に準じて施設します。
  • 屋内引出し口に近い箇所には専用の開閉器を、電源装置の一次側には専用の手元開閉器またはコンセント等を各極に施設します。
配線の場所よりどころ
二次側配線(屋外部分)構内電線路の規定に準じる
二次側配線(屋内・屋側部分)絶縁電線等を用い、低圧配線方法の規定に準じる
屋内引出し口に近い箇所専用の開閉器を施設
電源装置の一次側専用の手元開閉器またはコンセント等を各極に施設
ここまでのポイント
  • 電源装置が使用電圧30V以上の電源から供給を受け、人が容易に立ち入る場所に施設する場合は漏電遮断器を施設する
  • 漏電遮断器は電流動作型で、定格感度電流15mA以下・動作時間0.1秒以下とする
  • 二次側配線は、屋外部分は構内電線路の規定に準じて施設する
  • 屋内・屋側部分は絶縁電線等を用い、低圧配線方法の規定に準じて施設する
  • 屋内引出し口に近い箇所には専用の開閉器を、電源装置の一次側には専用の手元開閉器またはコンセント等を各極に施設する

危険表示・電波障害防止・接地

トピック3:危険表示・電波障害防止・接地
  • 電気さくを施設した場所には、人が見やすいように危険である旨の表示を適切な間隔で行います。夜間通電する場所では通電表示灯を設けるとよいでしょう。
  • 衝撃電流を繰り返し発生する電源装置は、無線設備の機能に継続的かつ重大な障害を与えるおそれがある場所には施設できません。
  • 電源装置の外箱および変圧器の鉄心には、D種接地工事を施します。

たとえ話でイメージ

電気さくは「触れると警告が走る柵」のようなもの。普段はおとなしくても、人が立ち入る場所では一瞬で電気を切る安全装置(漏電遮断器)と「危険」の看板をセットにして、はじめて安心して使える、というイメージです。

見習いペン太
見習いペン太
先生、電気さくって普通に立てちゃダメなんですか?
はりた
はりた
原則は禁止だよ。田畑や牧場で家畜の脱出や野獣の侵入を防ぐ目的のときだけ、感電や火災のおそれがないように施設できるんだ。
見習いペン太
見習いペン太
人が入る場所に立てるときは何に気をつければ?
はりた
はりた
30V以上の電源から供給を受けるなら、定格感度電流15mA以下・動作時間0.1秒以下の漏電遮断器が必要。外箱と鉄心はD種接地、そして危険表示も忘れずにね。
電気さくの原則禁止と例外の条件・電源装置と保護を示した図
電気さくは原則として施設できず、田畑・牧場などで家畜の脱出や野獣の侵入を防止する場合に限り施設できる。電源は電気用品安全法の適用を受ける電気さく用電源装置を使用し、使用電圧30V以上の電源から供給を受けて人が容易に立ち入る場所に施設する場合は、電流動作型で定格感度電流15mA以下・動作時間0.1秒以下の漏電遮断器を施設する。屋内引出し口に近い箇所には専用の開閉器を設け、電源装置の外箱および変圧器の鉄心にD種接地工事を施し、危険である旨の表示を行う。
取り違えやすいところ正しくは
漏電遮断器はどんなものでもよい電流動作型で定格感度電流15mA以下・動作時間0.1秒以下
電気さくは自由に設置できる原則は施設できない。田畑・牧場などでの家畜脱出・野獣侵入防止に限る
市販の電源なら何でも使える電気用品安全法の適用を受ける電気さく用電源装置、または出力電流が制限される電源装置
表示は入口に1か所あればよい人が見やすいように適切な間隔で行う
接地は不要電源装置の外箱および変圧器の鉄心にD種接地工事を施す
ここまでのポイント
  • 電気さくを施設した場所には、人が見やすいように危険である旨の表示を適切な間隔で行う
  • 夜間通電する場所では通電表示灯を設けるとよい
  • 衝撃電流を繰り返し発生する電源装置は、無線設備の機能に継続的かつ重大な障害を与えるおそれがある場所には施設できない
  • 電源装置の外箱および変圧器の鉄心にはD種接地工事を施す

よくある質問(FAQ)

トピック4:よくある質問
Q. 電気さくはどんな場合に施設できますか?
A. 原則として施設できません。ただし田畑・牧場などで家畜の脱出や野獣の侵入を防止するために、感電や火災のおそれがないように施設する場合に限り認められます。
Q. 漏電遮断器はどんな仕様が必要ですか?
A. 電源装置(直流電源装置を介す場合はその装置)が使用電圧30V以上の電源から供給を受け、人が容易に立ち入る場所に施設する場合は、電流動作型で定格感度電流15mA以下、動作時間0.1秒以下の漏電遮断器が必要です。
Q. 接地工事や表示はどうしますか?
A. 電源装置の外箱および変圧器の鉄心にD種接地工事を施します。また施設場所には人が見やすいように危険である旨の表示を行い、夜間通電する場所では通電表示灯を設けるとよいでしょう。

まとめ|例外として認められる設備だからこそ

電気さくは原則として施設できず、田畑・牧場などでの家畜脱出や野獣侵入の防止という目的に限って認められる設備です。だからこそ電源装置の適合性、漏電遮断器の定格、そして危険表示までが細かく決められています。

確認する順番見るところ基準
Step1設置の目的田畑・牧場などで家畜の脱出や野獣の侵入を防止するためか
Step2電源装置電気用品安全法の適用を受けるもの、または出力電流が制限されるもの
Step3漏電遮断器30V以上かつ人が立ち入る場所なら15mA以下・0.1秒以下
Step4配線と開閉器屋外は構内電線路、屋内・屋側は低圧配線方法に準じる
Step5表示と接地危険である旨の表示、外箱と鉄心にD種接地

人が立ち入る可能性がある場所かどうかで、漏電遮断器の要否が変わります。設置範囲の周囲に通路や農道がある場合は、立入の可能性を前提に計画しておくと安全側で収まります。

📘 この記事の根拠規程|解説の原文は内線規程(JEAC8001-2022)に掲載されています。実務で使う方は手元に1冊どうぞ → 電気設備の必携書籍おすすめ4選【2026年版】

ペン太ペン太
設置の最後にやることは何ですか?
ハリタハリタ
D種接地と危険表示です。適切な間隔で表示して、初めて安全な電気さくになりますよ。

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HARITA
電気設備の設計に携わる技術者です。内線規程や電気設備技術基準の解釈などの一次資料をもとに、設計・施工者向けの技術解説と、専門知識のない方に向けた「住まいの電気」の解説を書いています。